東京保険医協会主催『第111回糖尿病症例研究懇話会』で講演(栗林副理事長)
【テーマ】不規則労働している糖尿病患者への対応
講演の内容は次のようなものでした。
近 年の社会・経済構造の変化や労働法制の規制緩和は労働形態を変化させ、長時間労働や不規則労働を増加させている。このような労働形態は日々の食事(栄 養)、運動(身体活動)、休養(睡眠・ストレス管理)に悪影響を与え、メタボリックシンドロームや2型糖尿病を発症させやすく、発症後も療養生活を乱す結 果となっている。 その中で今回は不規則労働を余儀なくされている糖尿病患者に焦点を当て、管理の困難さを再認識した上で、食事や運動の指示や、薬物を選択する際の留意点と 私が今考えうる対応策について語った。 最後に、長時間労働や不規則労働は本来、人間個人にとって生理的ではなく、個人の属する家庭や社会にも多大に影響を与えるものであり、望ましいものではな いこと、「人」が「職場的役割」だけの存在ではなく、「個人的役割」、「家庭 的役割」、「地域的役割」があることを再認識すること、つまり、『人』がただの『働く人』でないことを個人も会社も考えるべきであることを伝えた。その上 で、小象の会活動を紹介した。 |
以上です。最後の話は、先日の小象の会フォーラムでの岡田先生、三島先生の話とも通ずる内容です。60分の講演後に30分の質疑応答がありました。「糖尿 病症例研究懇話会」はもともと小さい会で20名ほどの臨床医しか出席がありませんでしたが、多くの出席者からたくさんの質問を頂き、小象の会活動への興味 ある反応とエールを頂きました。(栗林)