2016‐05‐24
千葉日報に掲載された内田理事のインタビュー記事
たばこの害、依存症について、禁煙外来について160524千葉日報内田先生
2016-03-01
2013年(H25年)小象のフォーラムの特別企画として、タバコの問題を取り上げました。
特別講演に国立がん研究センターの望月友美子氏をお迎えして『世界のたばこ対策の現状と将来』と題した講演を行っていただきました。
小象の会からは内田理事が『たばこに起因する病気の様々』と題して、とても印象深い講演を行いました。
(講演の様子は会報13号で詳しくお読みいただけます)kaihou13
その後小象の会では内田理事を中心としてたばこ問題に継続して取り組んできました。
しかし、たばこがたくさんの健康上の害をもたらすものだとわかっていても、日本のたばこ規制はまだまだ進んでいません。
2016年2月21日、厚労省研究班の報告をもとに日本のたばこ規制がなかなか進まない現状についての記事が千葉日報に掲載されました。
(その記事はこちらから160221千葉日報たばこ )
それをきっかけとして、理事の間で喫煙問題について意見が交わされました。
中野
本日の千葉日報6頁に「不十分なたばこ規制」と題する記事が掲載されていました。・ たばこの害をきちんと認識していない人がいかに多いか。・ 世界中では、毎年600万人(日本でも13万人)の人がたばこのために亡くなっていること。・ 他の国々と比較しても日本が非常にたばこ対策が遅れていること。・ (喫煙している人が害を受けることは、自業自得としても)非喫煙者の受動喫煙の害に対する認識が低いこと。・ 日本のたばこの価格が先進国としては非常に安いこと。・ たばこの包装における警告表示が生ぬるいこと。等々が、解り易く載っていました。小象の会では、かねてから各種の取り組みをしておりますが、一層力を入れて行かなければと改めて思った次第です。
栗林
東京オリンピックで開催地である東京都都知事は当初は禁煙宣言することを言っておりましたが、議員の反対で撤回したいきさつがあります。しかし、これは先進国家と言えない日本の恥です。東京オリンピックのことも含めてキャンペーンすべきと考えます。
内田
私が考えている日本の無煙化に向けた対策は、①医学的に正しい喫煙の害を周知させること(喫煙者だけでなく、非喫煙者も受動喫煙の害は意外と知りませんし、特に喫煙開始前の子どもたちへの教育は重要であろうと思います)。②タバコの価格を上げること(できれば1箱1000円まで一気に上げることが望ましいのですが、反対が強いでしょうから100円でも200円でも高くなればそれだけ現在の喫煙者には強い禁煙の動機になります)③ タバコ関連企業の広告を強く規制する(タバコ企業のイメージ広告も禁止する。今、JTは分煙に取り込み、吸う人と吸わない人が心地よく共存できる社会を作 ろうとしていますが、それは現在の喫煙者がタバコを止めにくくすることであり、喫煙者が禁煙するきっかけをなくすことになります。また、JTの作り出すさ わやかなイメージ広告は若者の喫煙を間接的に促進してしまう恐れがあります。同様にJTがすべての寄付活動・慈善事業活動をすることを禁止する必要がある と思います。)。④タバコパッケージにおいて、海外の喫煙規制先進国に学んで、タバコの害を訴える画像を75%以上の面積で掲載することを義務付ける。⑤ 東京オリンピックをきっかけに、まずはオリンピック競技開催都道府県で受動喫煙防止法の条例を罰則付きで制定する。それをやがては全ての都道府県に広め る。公共の場は全て完全禁煙、もしくは厳重な分煙のどちらかとする(名前だけの禁煙席など無意味です)。施設・店舗の大小で区別はしない(小店舗であって も例外は許さない)。この規制の効果は速効性を持って心血管病の減少につながることは、過去の多くの事例から明らかです。以上の5つが実行できれば、日本もやっとオリンピックを開催して恥ずかしくない国と言えるでしょう。2020年までに間に合うかが心配です。